オムニ時代到来で、売り場はブランド体験の場へ。ぐっとくるリアル店舗事例まとめ

: update:2015/05/15 事例 ,

muji2013

オムニチャネル時代の到来により、チャネル別ではなく、ネットやリアル店舗も全て融合した総力での顧客アプローチが求められるようになってきました。
そのような中、先進的企業では、リアル店舗を「物やサービスを販売する場」としてだけではなく「消費者に刺さるエモーショナルなブランド体験を提供する場」へと発展させています。
そのことによって、長期的なブランド価値の向上にまで繋げているのです。
では、具体的にどのような施策をとっているのか、見ていきましょう!

良品計画:「KNIT like collection」キャンペーンで特別なブランド体験を演出

KNIT like collection

(左)「KNIT Like COLLECTION」の店舗風景、(右)Facebook上の「いいね!」数をリアルタイムに店頭で表示

image from http://www.toppan.co.jp/news/2013/05/newsrelease130524.html

2012年11月、無印良品の有楽町店(東京)に木琴型オブジェと10点のコーディネートが展示されました。
無印良品Facebookでお気に入りのコーディネートに「いいね!」をすると、実際に店頭で表示されているマネキンの胸元の数字がリアルタイムでカウントされ、木琴型オブジェからクリスマスソングが流れる仕掛けになっています。
ネットとリアルをうまく融合した仕掛けで店舗を活性化することで購買意欲も喚起し、またリアル店舗での印象的な体験がソーシャルメディア上でも伝播することで、より多くの来店にもつながります。
実際にプロモーション期間中、いいね!総数は1万5000件と無印良品のキャンペーンとしては過去最高となり、関連商品の売上げは前年比133%を記録したそうです。(数値情報は、書籍『O2O、ビッグデータでお客をよびこめ!(平凡社新書)』より引用しました。)

このプロモーションは2013年5月、世界三大広告賞のひとつでもある「One Show」のインタラクティブ部門でメリット賞を受賞して話題になりました。

ヨドバシカメラ:「ヨドバシ」ショッピングアプリを軸に、店舗を自社ショールーミングに

「ヨドバシ」ショッピングアプリ
「ヨドバシ」ショッピングアプリ

image from http://www.yodobashi.com/ec/support/beginner/iphone/

店舗で商品を手にとっても、その場では購入せず、スマートフォンなどでスペックや評判、最低価格などを調べて、他店ECサイトで購入する・・・そんな経験がある方も多いのではないでしょうか?
そんなショールーミングといわれる消費行動が一般化しつつあることは、リアル店舗をもつ流通企業にとって大きな脅威でしょう。

そんな中、ヨドバシカメラでは、むしろショールーミングを促すようなアプリの提供を始めています。
店頭商品のバーコードなどを「ヨドバシ」ショッピングアプリで読み込むと、商品情報やリアル店舗在庫の有無まで確認でき、そのままアプリで購入もできます。
店頭受け取りの指定も出来るので、購入して自宅の最寄りの店舗で受け取ることもできます。送料無料で配送指定もでき、しかも多くの場合それが当日配送されるのです。ポイントも店舗購入/ネット購入が統合されています。
そんなネットとリアル店舗を自由に行き来できる便利な購買体験の提供は、まさにオムニチャネル時代の取り組みといえるでしょう。

コカ・コーラ:「Share a Coke and a Song」キャンペーン。自社店舗でなくても、パッケージでブランドメッセージが伝わる売り場に

Share a Coke and a Song - coca・cola
コカ・コーラが日本での発売を開始した1957年から2013年まで、各年のイヤーボトルが、限定で登場!

image from http://www.cocacola.co.jp/press-center/press-release/news-20130304

流通業のようにリアル店舗をもたなくても、商品のパッケージに表現されたメッセージを中心に、あらたなブランド体験をもたらすこともできます。「思い出のそばには、コカ・コーラと歌がある」をコンセプトに、2013年3月から6月までコカコーラが展開したキャンペーンがその一例です。

消費者が自分の好きな年のコカ・コーラを購入し、そこに印刷されているシリアルコードを使って、その年の人気アーティストの曲を聴くことができる、というキャンペーンです。

少し複雑なこのキャンペーンを伝えるために、インパクトが感じられるパッケージ、認知アップのためのテレビCMや屋外広告、さらに街中に巨大なコカコーラボトル型スピーカーを使ったイベントも行われました。
それ以外にキーとなったのは、流通店舗との協力です。面白いキャンペーンということもあり、スーパーのエレベーター前などに特設コーナーが設けられたりすることで、消費者に企画が伝わりやすくなるほか、販売店側をも盛り上げる結果となりました。
「音楽、さらにはその年にまつわる思い出」というエモーショナルな付加価値がつくことで、リピート買いも多くなり、販売数が(数字自体は未公表であるものの)前年同日比率で2桁増となった日もあったようです。また、ソーシャル上の波及も非常に大きなものであったようです。

このように、ネット活用も含めて店舗への流入を促進させることで、流通側にもメリットが感じられる取り組みになり、自社店舗を保有しなくとも、並んだ商品を入り口とした新たなブランド体験が提供されたのです。

※キャンペーン自体は、こちらで詳しく紹介されています。数値情報もこちらを引用しました。音楽から始まる、王者コカ・コーラのO2O

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